以下の図を用いて説明をします.
ロケーションベース型AR
はその名の通り,現実環境をベースとして情報を拡張する,スマートフォンが普及しだした今最も研究が盛んなAR技術です.
季節ハズレですが,クリスマスイベントを例に考えてみましょう.
何も飾り付けがされてないツリーにスマートフォンをかざすと,仮想的に飾り付けがされたツリーを表示するようなアプリを考えてみましょう.
ツリーは立体物であり,見る場所によってはいろんな形で像が人間の目に飛び込んできます.かといって,ツリーにARマーカーを沢山飾ってしまっては興ざめでしょう.
そこで,アプリ側で「アプリが起動している間適当な間隔でスマートフォンの位置情報を取得し,ツリーの位置情報とスマートフォンの位置情報が近くなったらツリーの方向を見るようにアラートを出す」というプログラムを書きます.
アラートに気づいた利用者はアプリを起動し,ツリーの方向にカメラをかざすと飾り付けがされたツリーがスマートフォン上に表示されます.
ロケーションベース型ARは仕組みがとても複雑になりますが,ビジョンベースとはまた異なった情報提示ができます.
位置情報の他にも天候や気温,加速度などの情報を利用して情報提示を行うアプリも存在します.
つまり,ロケーションベース型ARはその人をとりまく環境や状況を認識してAR体験を提供する手法
と言えます.