長崎色さるくの概要
長崎という街について
長崎で育った人は知っていると思いますが,長崎は日本でも古くから国際都市として栄えてきました.
例えば,日本初の洋菓子はカステラといわれ,ポルトガルから長崎に伝わり,その後全国的に広まっていきました.
鎖国を続けた江戸幕府は九州の港四口を開港し,中国や朝鮮,ポルトガルなどの決まった国とだけ貿易を行いました.その四口のなかの一つが長崎の港なのです.
※長崎は出島に寄港した南蛮船と貿易を行った…と勉強した人もいるかもしれませんが,実際は逆で,南蛮船を迎え入れ,外国人の居留地とするために出島を作りました.
加えて,先日めでたく世界遺産登録が決定した軍艦島をはじめとした産業革命遺産,世界で2発目の原子爆弾が投下された歴史など,多くの歴史的遺産を抱えた街です.
長崎さるくについて
このような背景から,長崎は昔から観光事業に力を入れており,2006年に「長崎さるく博」という地方博覧会を開きました.
「さるく」とは,「ぶらぶら歩く」という意味の長崎弁です.長崎さるく博は,街をぶらぶら歩いて長崎の街の良さを知ってもらう,歴史に触れてもらうといったことを目的として始められました.
2007年からは規模を縮小し,継続したイベントとして「長崎さるく」を実施しており,それぞれ「長崎遊さるく」「長崎通さるく」「長崎学さるく」「長崎食さるく」といった4つのテーマに沿ったさるくコースが用意され,県外からの観光者のみならず,長崎県内に住む人たちにも人気のイベントとして知られています.
さるくマップとIT技術の融合
現在の長崎さるくは,長崎国際観光コンベンション協会が発行する特別マップを手に,街をぶらつくイベントです.
この特別マップには,さるくコース情報の他に道中の建造物やお店,歴史の小ネタなどが盛り込まれています.
このパンフレットは情報量も程よく,コースに合わせたデザインがされていますので,そのまま持ち帰り旅の思い出として保管する方もいます.
折角出来の良いパンフレットがあるのだから,帰ってしまった後も楽しめるようなプログラムが作れないでしょうか?
パンフレットはタイトル文字が黄色や青,ピンクなどカラフルです.この色情報を認識して,パンフレットの内容をさらに拡張するアプリケーション「長崎色さるく」を作ってみましょう.
今回は,拡張する内容としてWebページを使用します.
長崎色さるくは,
- USBカメラで映像を撮影するプログラム
- 撮影した映像の中から色を認識するプログラム
- 認識した色を元に,Webページを作るプログラム
この3つのプログラムが集まってできています.
実際に1つ1つ作っていきましょう.